RADIO Station GUIDE 個人的な全国ラジオ放送局ガイド 〜ラジオ無しの生活は考えられない〜

全国ラジオ放送局ガイド

ラジオとは?

会話や音楽などの音声信号を、電波を使って不特定多数のために放送するしくみ。
いくつかの方式があるが、最も歴史の長いのは振幅変調による中波放送で、基本的な方式は100年間も変わらず、現在でもラジオの主流である。
この方式および受信機は一般に「AM放送」「AMラジオ」と呼ばれる。
また周波数変調による超短波ラジオ放送も広く聴取され「FM放送」「FMラジオ」と呼ばれる。本項目でも特筆しない限りこの呼び方を用いる。

テレビと異なり、送信システムは比較的簡単な構造で、仮に地震などで放送局が破壊されても、肩に担げる程度の大きさの小型送信機からの放送も可能で、
極端に言えばマイクロフォンと送信機さえあれば放送可能である。
これを活かし、災害発生時には臨時ラジオ局が開設されることがある。
一部のラジオ局ではこの特長を利用し、自分以外の局員が全員操作できない状態になっても、一人いれば、全てを遠隔操作して放送が続けられるようになっているという。
電波が到達する範囲・時間内であれば、いつでもどこでも放送を聞くことができる。この特性を生かして、災害時の情報伝達手段として重要視されるようになっている。

世界でのラジオの歴史

無線でのラジオを世界で初めて実現したのは元エジソンの会社の技師だったカナダ生まれの電気技術者レジナルド・フェッセンデンで、
1900年に歪みはひどいものの最初の通信テストに成功した。
彼は引き続き、ヘテロダイン検波方式や、電動式の高周波発振器を開発してラジオの改良に取り組んだ。

1906年12月24日には、アメリカ・マサチューセッツ州の自己の無線局から、自らのクリスマスの挨拶をラジオ放送した。
フェッセンデンはこの日、レコードでヘンデル作曲の「クセルクセスのラルゴ」を、そして自身のバイオリンと歌で”O Holy Night”をそれぞれ流し、聖書を朗読した。
この放送はあらかじめ無線電信によって予告されたもので「世界初のラジオ放送」だっただけでなく「最初のクリスマス特別番組」でもある。
フェッセンデンは「史上初のラジオアナウンサー&プロデューサー」と言えるだろう。

フェッセンデン以後、実験・試験的なラジオ放送が世界各地で行われるようになるが、正式な公共放送の最初ははるかに下って、
1920年11月2日にアメリカ・ペンシルベニア州ピッツバーグで放送開始されたKDKA局と言われる。
これはAM方式によるものだった。
最初のニュースは大統領選挙の情報で、ハーディングの当選を伝えた。

極長距離を伝送できる短波ラジオ放送を最初に行ったのはオランダの国営放送で、1927年11月から海外植民地向けに試験放送を開始、
翌1928年には当時オランダ領だったインドネシア・ジャワ島での受信に成功する。
この実績に追随してドイツ、旧ソ連、フランス、イタリア、イギリス等が1929年〜1932年にかけて植民地向け放送や海外宣伝放送を短波で開始している。

FM方式は、フェッセンデンによって1902年に考案されているが、実用化されたのは1933年になってからで、アメリカのエドウィン・H・アームストロングの手による。
アームストロングは1920年にスーパーヘテロダイン検波方式も実用化している。
FM方式による公共放送はアメリカで1938年から試験的に開始された。
2000年代に入って、先進国で地上デジタルラジオ放送が開始され、またアメリカのシリウスXMラジオのような衛星デジタルラジオサービスも開始されている。

日本でのラジオの歴史

アメリカでのラジオ放送開始は、即座に日本にも伝わった。
ラジオ受信機の製作に関する雑誌が数多く発売され、また新聞社による独自のラジオ中継が行われたりした。
1923年12月、逓信省はこのような状況を受けて無線電信法を改正し放送用施設無線電話規則を制定。
翌年、当面東京、名古屋、大阪の3地域で、公益法人として各1事業者ずつ、ラジオ放送事業を許可する方針を打ち出した。

日本初のラジオ放送は、1925年(大正14年)3月22日午前9時30分、社団法人東京放送局が東京都にある芝浦の東京高等工芸学校内に設けた
仮送信所から発した京田武男アナウンサーによる第一声である。
その時に発した言葉は「アーアー、聞こえますか。JOAK、JOAK、こちらは東京放送局であります。こんにち只今より放送を開始致します」だった。
当時使われていたラジオは「探り式鉱石受信機」がほとんどで、第一声の「アーアー」は、
この間に聴取者が鉱石の針先を一番感度の良い部分に調節できるようにするための配慮と言われている。
波長は375m(周波数800kHz)、空中線電力(出力)約220Wだった。
当時の受信機の性能に比して出力が弱かったため、東京市内でないとよく聴こえなかった

元々は3月1日に放送を開始する予定だったが、購入する予定だった日本で1台だったウェスタン・エレクトリック社製の放送用送信機が、
前年12月に同じく設立準備中の社団法人大阪放送局に買い取られてしまった。
そこで東京放送局は、東京市電気局電気研究所が放送実施のために購入したゼネラル・エレクトリック社製の無線電信電話機を借り放送用に改造して使用することにしたが、
2月26日の逓信省の検査で「放送設備が未完成のため3月1日の放送開始は時期尚早」と判断された。
既に3月1日から放送を開始すると発表しており、また、大阪放送局よりも先に日本初のラジオ放送を行いたいということで、
「試験送信」の名義で逓信省の許可を受け、何とか3月1日から放送を開始することができた。

3週間の試験放送の後、逓信省の検査に合格し、3月22日に仮放送を開始し、7月12日に東京府東京市芝区(現在の東京都港区)の愛宕山からの本放送が開始された。
これには改めて購入した出力1KWのWE社製送信機を使用した。大阪放送局はその年の6月1日から仮放送を出力500Wで開始した。
さらに、社団法人名古屋放送局も同年7月15日に、出力1kWのマルコーニ社製送信機を使用して放送を開始した。

FMステレオ放送

アメリカで1961年、ゼネラルエレクトロニックス社とゼニス社の共同に基づく「AM-FM」方式が標準ステレオ方式として採用され放送が開始された。
日本でも1963年6月25日から当時のFM東海によってこの方式による試験放送が開始される。

日本においてステレオ放送開始の当初、地方都市などに電電公社のステレオ中継回線が整備が整備されるまでNHKでは各基幹局に、
民放では各放送局に2トラック19cm/sのオープンリールのパッケージテープを送りそれを再生して放送し、
更に基幹局でないNHKのFM局では沖縄県及び鹿児島県奄美大島地域を除いて全て放送波中継にて全国番組のステレオ番組が放送されたという。
その後、1978年10月1日からFM放送用のPCMステレオ回線が整備され始め1980年代には全国のNHK及び全民放FM局にその設備が導入されるようになった。
2010年頃からこれまでのPCMステレオ回線に代わり、AM・FMラジオ共用の光デジタル回線が用いられていて、全国一律安定した音質で届けることができるようになっている。

AMステレオ放送

1波による中波ステレオ放送の開発は昔から行われていたものの、FMステレオ放送の開始が先だったために本格的に実用化されはじめたのは1980年代に入ってからだった。
アメリカで方式が乱立した経緯があり、またAMステレオよりもFMステレオの方が遥かに音質が良いこともあるため余り普及されていないのが実情である。

AM1波によるステレオ放送の開発は1926年11月、アメリカ電信電話会社のP.K.ポッターが直交変調方式を発明し特許を取ったことが最初である。
これは後のモトローラ方式の基礎となっている。

1975年9月、AMステレオ放送の実施に向けてそれを行いたい全米のAM局が集まって全米AMステレオラジオ委員会を設立。
実験放送や討議を行い1977年12月、連邦通信委員会に報告書を提出した。
これを受けFCCは1978年、AMステレオの標準方式を決めるためにカーン方式、モトローラ方式、マグナボックス方式、ベラー方式、ハリス方式の計5方式を選定。
その後、NAMSRCによって再度実験、討議され、その中から1979年、NAMSRCはマグナボックス方式を標準方式として決定した。
FCCもこれを受けて同方式を1980年4月に標準方式として仮決定したがその後他のメーカーや放送技術者からの異議申し立てがあり撤回され1982年3月、
FCCは統一方式を決めず5方式全てを認可する決定を下し、自由競争に任せた。

その後米では1982年7月、米のKDKA、KTSAの2局がカーン方式による全米初のAMステレオ放送の本放送を開始した。
しかしその後、アメリカの大手自動車メーカーであるGM、クライスラー、フォード等が車載するAMステレオラジオとしてモトローラ方式を採用することがきっかけで
モトローラ方式を採用するAMラジオ局が多くなった。
これを機に1984年10月にオーストラリアで、その後相次いでAMラジオ放送の標準方式としてモトローラ方式を採用する国が多くなった。
その後、日本、カナダを始め各国でAMステレオの標準方式としてモトローラ方式を採用したり、
全米でもAMステレオを実施しているほとんどの局がモトローラ方式を採用するようになったため1993年、FCCは遂に同方式をAMステレオの標準方式とする決定を下した。

日本では1991年にモトローラ方式を標準方式と決定。
1992年3月15日にモトローラ式によって東京と大阪にある東京放送、文化放送、ニッポン放送、毎日放送、朝日放送の民放5局でステレオ放送がスタート。
ラジオ大阪は新社屋完成を待って1993年から開始した。その後も各地で順次ステレオ放送が開始された。
しかし、NHKは実施に至らなかった。実施局は大都市と一部地域の民放局に留まっており、一部局を除き親局のみ対応。

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